企業データの出所をたどる|営業リストの見分け方
営業リストに使う企業データは、「何社載っているか」ではなく「その項目の出所をたどれるか」で信頼度が決まります。企業データには、国の公表制度から来ている層と、各サービスが独自に収集した層があり、更新のされ方も違います。この記事では、どちらの層なのかを確かめる質問と件数表示の読み方を、全国法人検索の実データで整理します。基本は営業リストとはを参照してください。
新人営業企業データって、どのサイトのものでも元をたどれば同じなんだと思っていました。
アドバイザーそこが分かれ目です。同じ1行の中でも、項目によって出所が違うことがありますよ。
企業データの出所は2つの層に分かれる
1社分のデータは、出所の異なる項目が1行に混ざっています。全国法人検索では次の2層です。
- 公表制度から来ている層: 商号・所在地・法人番号は、国が公表し誰でも自由に利用できる国税庁の法人番号公表データに基づきます(出典: 国税庁法人番号公表サイト)。
- 収集した層: 電話番号・企業サイトURL・FAX番号・メールアドレス・問い合わせフォームURL・業種は、当サービスの独自調査とクローラ収集で付与しています。
重要なのは、国税庁が公表する項目に電話番号・企業サイトURL・資本金・従業員数は含まれていない点です。これらを持つサービスは、どこかで自前に集めています。「公的データに基づく」は商号や所在地の裏付けであって、連絡先や財務まで同じ裏付けがあるとは限りません。全国法人検索でも、資本金がわかるのは60万社、従業員数は62万社です。
新人営業「505万社のデータベース」と書いてあれば、505万社に架電できるということですよね?
アドバイザーそこは読み替えないほうが安全です。掲載社数と項目ごとの件数は別物なので、実際の数字で見てみましょう。
「掲載社数」と「項目ごとの件数」は別物
もっとも誤解されるのが、掲載社数を連絡可能な件数として読むことです。全国法人検索の集計では次の差があります。
| 項目 | 確認できる社数 | 出所の層 |
|---|---|---|
| 商号・所在地・法人番号 | 505万社(掲載社数そのもの) | 公表制度(基本3情報) |
| 設立年月日 | 164万社 | 基本3情報の外 |
| 企業サイトURL | 114万社 | 収集 |
| 電話番号 | 113万社(掲載社数の約22%) | 収集 |
| メールアドレス | 20万社 | 収集 |
電話番号を必須条件にすると、母集団は505万社ではなく113万社です。問い合わせフォームURLなら39万社、FAX番号なら36万社。この差を知らずに架電件数や送付部数を見積もると、着手してから前提が崩れます。読むべきは「掲載社数」ではなく「自分が使う項目の件数」です。
新人営業出所が大事なのはわかりましたが、サイトを見ただけで判断できるものでしょうか?
アドバイザー確かめる質問を決めておけば判断できます。4つに絞って順番に見ていきましょう。
出所を確かめる4つの質問
どのサービスのデータでも、次の4つを順に確かめれば層を見分けられます。
- その項目の一次情報は何か: 公表制度に由来するのか、収集したものか。制度名まで書かれていない項目は、収集した層として扱います。
- いつ取得したものか: 取得日が項目ごとにわかるかを見ます。「最新」とだけある場合は、何をもって最新なのかを確認します。
- その件数は「掲載社数」か「その項目がある社数」か: 見出しの件数と、その項目で絞り込んだ後の件数が一致するかを見ます。
- 更新の頻度と、更新されない項目はあるか: 全項目が同じ頻度で更新されるとは限りません。一度収集したあと更新していない項目がないかを確認します。
②と④に答えが得られない項目は、優先順位を決める根拠には使わず、現場で確認する前提で扱うのが安全です。項目ごとの役割と優先度は営業リストの項目一覧と優先度で整理しています。
新人営業質問はわかりました。でも、答えが返ってこないときはどうすればいいんですか?
アドバイザー答えが返ってこないこと自体が判断材料になります。開示のされ方から読む方法を整理しましょう。
開示のされ方から読む
出所は、問い合わせるより「平常時にどこまで開示されているか」で判断できます。全国法人検索では、電話番号・ホームページ・FAX番号について、各企業ページから項目別のページに入ると連絡先ごとの収集元と取得日を会員登録なしで確認できます(その他の項目は収集元・取得日を開示していません)。掲載データの集計は毎日02時に更新し、上場企業3,964社など項目別の件数も公開しています。方針はデータの出典についてにまとめています。
| 確かめたいこと | 当サイト | 一般的な有料サービス | 他社の無料ツール |
|---|---|---|---|
| 項目ごとの一次情報 | 公表制度か収集かを明記 | サービスによる | 開示がない場合が多い |
| 取得日 | 電話・HP・FAXは項目別ページで開示(他項目は未開示) | 資料による | 表示がない場合が多い |
| 項目ごとの件数 | 項目別に公開 | サービスによる | 定義が不明な場合がある |
| 更新のタイミング | 毎日02時に集計を更新 | サービスによる | 不明な場合が多い |
比べるときは、どちらが優れているかではなく「自分が使う項目について4つの質問に答えが返ってくるか」を基準にします。件数を確かめる作業は全国の企業一覧から試せます。
なお、データの利用範囲は提供元の利用規約に定めがあるため、社外への共有や再配布を考える場合は事前に確認が必要です。個別の判断は弁護士など専門家にご相談ください。
出典: 国税庁法人番号公表サイト/全国法人検索の集計(国税庁法人番号データ基盤) 更新日: 2026-11-05
よくある質問
企業データの出所はどうやって確かめますか?
一次情報は何か、いつ取得したものか、示された件数は掲載社数かその項目がある社数か、更新されない項目はあるかの4点です。答えが得られない項目は、優先順位の根拠にせず現場で確認する前提にします。
「505万社のデータベース」と書かれていれば全社に電話番号がありますか?
いいえ。全国法人検索の場合、掲載しているのは505万社ですが、電話番号を確認できるのは113万社で、掲載社数の約22%にとどまります。掲載社数と、その項目がある社数は別の数字です。
国税庁の法人番号公表データには電話番号も含まれますか?
含まれていません。公表されるのは商号・本店所在地・法人番号の基本3情報で、電話番号・企業サイトURL・資本金・従業員数は含まれません。これらを掲載するサービスは、公表データとは別に独自に収集しています。
取得日がわからないデータは使ってはいけませんか?
使えないわけではありませんが、優先順位づけの根拠にはしないほうが安全です。架電や訪問で確認できたタイミングを自社側の記録として持ち、その記録を優先して運用してください。
最終更新: 2026-11-05 / ListGoo 編集部